違法な状態で派遣されていることに気づいた楓ちゃん。
この記事では、派遣先の仕事が禁止業務だったときや、二重派遣だったときに適用される『労働契約申し込みみなし制度』について一緒に見ていきましょう。
『労働契約申し込みみなし制度』とはどのような制度で、派遣スタッフにどんなメリットがあるのか。
実例を交えて解説致します。
労働契約申し込みみなし制度とは
わたし騙されてるかも。どう対処すればいいんだろ?
お互い2重派遣でチャラじゃねーか。
そういったときに「労働契約申し込みみなし制度」という制度があるよ
労働契約申し込みみなし制度偽装請負にあたる二重派遣や、期間を越えての派遣など、違法な状態で派遣先に従事させられていた場合に適用されるのが『労働契約申し込みみなし制度』。
これは違法が始まった時点から、「派遣先が派遣社員に対して、直接雇用の契約を申し込んだとみなす」制度なんだ。
「派遣先が違法と分かっていた」、そして「労働者本人が直接雇用を承諾した場合」この法律は適用されるよ。
平成24年の派遣法改正で決定し27年から実施されているんだ。
労働契約申し込みみなし制度のメリットとルール
ただ派遣先の就業規則が反映されることも多く、そこが鍵となるんだ。
『労働契約申し込みみなし制度』は、派遣会社と労働者が結んでいた雇用契約(違反前に予定していた契約内容)がそのまま適用される。
つまり
・「派遣会社ー労働者」の契約だったのが、「派遣先ー労働者」の直接雇用に変わる。
・「始業時間/終業時間/派遣期間/給料」は派遣の契約と同じ
ってことだね。
これだけだと労働者にとってメリットはないように聞こえるよね?
でも派遣先には、もともと直接雇用の社内規定がある。
それに応じて契約内容が決定されることが多いから、派遣の時給より高くなったり、福利厚生が良くなったりもあるんだ。
派遣先の会社から見れば、本来派遣で安くすんでいた人材だったのに直接雇用することになるから、金銭的には痛手となるね。
労働申し込みみなし制度はどこから申請する?
その被害にあったら、どこに連絡したらいいんだ?
会社には定期的に監査が入る違法が発覚したら「労働局需給調整課」に連絡しよう。
各地域の労働局には「労働者派遣事業に関する業務」を扱っている「需給調整事業課」という課があるんだ。連絡すれば対応してくれるよ。
ちなみに労働局の仕事の一つに「監査」というものがあって、年に何件の監査をするというノルマがあるんだ。
派遣に限らずランダムに会社を選んで雇用状況の監査をしているから、定期的に派遣会社や派遣先にもチェックが入るよ。
労働局の定期監査で違法が発覚するというケースもたまにあるね。
労働契約申し込みみなし制度の実例
「違法と分かって」派遣を受け入れてた場合じゃねーのかよ。
「気付かなかった」がまかり通れば、言い逃れし放題だからね。
大手派遣会社は違法行為が少ないそもそも余計なトラブルを避ける為にも、違法をしていない派遣会社や派遣先を選ぶことが肝心だね。
大手派遣会社を選べば、「気づかなかった」や「忘れていた」のような派遣会社側のミスで期間を超えてしまうことは無いから安心だよ。
派遣先の違法行為を防ぐ為にも派遣先向けに「派遣法セミナー」をしている会社も多いし、スタッフが安心安全に働けるよう積極的に取り組んでいるんだ。
ただし派遣先の客先に行って、客先で指揮命令を受けてしまうような二重派遣は大手でも起こりがち。トラブルの危険性が0ではないことは頭に入れておいてね。