請負業者で働いていた楓ちゃんですが、現在の仕事が「偽装請負」の可能性があると友達に指摘されました。「偽装請負」について自分で調べてみるものの、いまいち意味が分かりません。ここでは「偽装請負とはどのようなものなのか」「派遣と偽装請負の関係」について一緒に見ていきましょう。また偽装請負を見分ける方法についてもお話致します。
派遣労働者とはどのような働き方か
労働者と派遣元・派遣先の関係派遣という働き方の特徴は「派遣元」と「労働者」と「派遣先」が三角の関係にあることだったね。
派遣会社と派遣先が「派遣契約」を結び、派遣会社と労働者が「労働契約=雇用契約」を結び、労働者は派遣会社の社員として派遣先へ派遣されるんだ。
仕事上の指示は全て派遣先で受けるけど、給料支払いや時間管理などは全て派遣会社でやるんだったね。
請負とはどのような働き方か
請負とは日本では「請負」は明確に定義されていて、「労働の結果としての仕事の完成を目的とするもの」としているんだ。
例えば「注文者」が靴を作ろうと考えた場合、自社では靴を作る技術がなかったり、時間がなかったり、コストがかる為、まず「請負業者」に靴の制作を注文する。
この時「注文者」と「請負業者」は請負契約を行うんだ。
注文を受けた「請負業者」は自社の「労働者」を使い、靴を制作する。
そして靴が完成したら、その成果物と引き換えに「請負業者」は「注文主」からお金を受け取り、「請負業者」は「労働者」に給料を支払うんだね。
「労働者」目線で考えた場合、契約をしているのも、指示を受けるのも、給料を払ってもらうのも「請負会社」からということだね。
つまり「注文者」には指揮命令権が一切ないというのが派遣とは大きく違う点なんだ。
注文者は成果物に対して賃金を払っているから、物さえ作ってくれれば、制作に何時間かけようが、何人で作ろうが関係なく、請負会社に丸投げできるのが「請負」なんだよ。
偽装請負とはなにか 派遣との違い
偽装請負の問題完成に向けて業務を毎日行うのは「派遣」も「請負」も変わらないから、一見問題ないように思えるんだけど、偽装請負には労働者が不利になる要素がたくさん潜んでいるんだ。
派遣なのに請負と偽装されれば、事実上残業代も貰えずに働かされることになる。
また実際は派遣なのに派遣法が適用できないという問題もあるし、注文者の会社に常駐し注文者の指揮命令を受けながら働いてるにも関わらず、何か問題が起こった時は派遣と違って責任が曖昧になる可能性もあるんだ。
もちろん偽装請負は法律違反であり、派遣元・派遣先(正しくは請負業者・注文者)両方に処罰が下される。
ただ派遣元も派遣先もそれは避けたいから、なにか問題が起こっても偽装請負をしていたことは隠そうとするし、労働者だけが損を被る可能性もあるんだよ。
これらの大半は、労働者派遣業の許可を取っていない会社が、請負と偽装しながら派遣に近いことをやっているんだ。
許可をとれない会社も多いから、必然的に劣悪な会社の可能性も高いんだね。
偽装請負の見分け方 判断の仕方
偽装請負でないかどうか請負会社ではなく注文者先に常駐して仕事をしており、注文者の指示の元、仕事をしているのなら、派遣と変わらないから偽装請負の可能性を疑った方がいいね。
一般的な請負業務なら、その作業に関わる労働者の人数や仕事の進め方、配置等は全て、受注者である請負会社が行なってるいる筈だよ。
また請負業者と注文者の間で請負契約をしっかり交わしているかどうかも偽装請負かどうかを見分ける重要なポイントだね。