現在派遣社員として働いている楓ちゃん。何気なく他社の派遣求人を見ていると、とても魅力的な仕事を見つけました。
現在働いている時間帯とも異なる為、なんとか両立できないものか考えます。
ここでは「派遣と派遣」「派遣と正社員」「派遣とアルバイト・パート」の掛け持ちについて一緒に見ていきましょう。
また「掛け持ちをする際に気をつけること」「副業が会社にバレる可能性」についても解説致します。
「派遣と派遣」「派遣と正社員」「派遣とアルバイト・パート」の掛け持ちは可能
今の仕事しながら掛け持ちしたいけど・・・やっぱ無理かなぁ?
やっぱり問題になるのかなぁと思ってさ。
でも、そもそも派遣って掛け持ちできるのかなぁ。
「派遣と派遣」「派遣と正社員」「派遣とアルバイト・パート」のいかなる状況でも可能なんだ。
じゃあ「派遣と派遣」で、他社の派遣会社利用でも問題ないんですか?
会社の規則の確認法律的に、掛け持ちなど副業をしてはいけないというルールがない。
つまり正社員であってもアルバイトであっても、たとえ他の派遣会社ですでに働いていたとしても、派遣の掛け持ちすることは可能なんだ。
ただし会社や派遣会社によっては、副業や掛け持ちを禁止している場合もある。
このような場合は違反したら処罰もありえるし、トラブルの元になるから、止めておいた方が無難だね。
勿論、今言ったように会社の就業規則で副業を禁止することは法律上できないから、違反しても(例外的なものを除いては)訴えられることはないけどね。
要するに本職に支障がでなければ副業は可能というのが日本の法律と覚えておけば問題ないよ。
副業のせいで現会社や現派遣先に迷惑がかかっている場合や、同業他社に情報を漏らしている場合は、責任追求されるし、大問題になる恐れもあるからダメだよ。
掛け持ち・副業はバレるのか
でも黙ってやればバレねーんじゃねーの?
可能性が大きいのが住民税と社会保険と雇用保険だよ。
ダブルワークがバレる3つの税と保険
- 住民税
- 社会保険
- 雇用保険
1、住民税から会社にバレる
住民税で現会社にバレる正社員や派遣の場合、一般的には毎月の給料から住民税が天引きされている。
さとる君の給料から、毎月会社が納税をしてくれているという考え方で、これにより自身で納税作業をしなくてすんでいるんだね。これを専門用語で「特別徴収」と言うよ。
ただし掛け持ちをした場合、問題となるのが、住民税が所得に応じて変化する点。
つまり掛け持ちにより収入が上がれば、自動的に住民税の支払う料金も上がってしまい、結果、現会社に副業をしていることがバレてしまう可能性があるんだ。
これを防ぐ方法は副業分の住民税を自分で納税すること。
個人事業主の人(給料が多い人やフリーランスなども)は毎年2月〜3月にかけて確定申告を行うんだけど、副業収入がある人も確定申告をする必要があるんだ。
この時、住民税の欄に「給与から差し引き」と「自分で納付する」という2箇所があるから、「自分で納付する」にチェックをして申請しよう。
そうすれば副業で稼いだ分は「特別徴収」ではなく、「普通徴収」になり自分で納めることができるから、住民税によって会社にバレることはなくなるんだね。
2、社会保険から会社にバレる
社会保険でバレる場合もあるんですか?
社会保険で会社にバレる日本では加入条件を満たした場合、社会保険に入らないといけない。
例えば本職であるAの会社で条件を満たした場合、Aの会社で社会保険へ加入する。
この時、Bの会社で副業をやっていたとしても、Bの会社で条件を満たしていないのであれば、Aの会社だけ加入すれば問題ないんだ。
ただAの会社でもBの会社でも条件を満たしてしまった場合、Aの会社の管轄する年金事務所に、10日以内に「健康保険・厚生年金保険所属選択・二以上事業所勤務届」という書類を届出する必要が出てくるんだ。
この手続をすることで、AとBの会社ともに正しく社会保険が引かれるようになり、法律上問題なくなるんだね。
ただしその結果、会社での社会保険料が変わってしまうから、Aの会社に副業をしていることがバレてしまうんだ。
対策としては、Bの会社では社会保険の加入条件を満たさない程度に働くことだね。
3、雇用保険から会社にバレる
雇用保険の加入条件を満たした場合、会社にバレる可能性があるんだ。
雇用保険で会社にバレる週20時間以上、31日以上雇用継続される見込みがある場合、雇用保険に加入しなければならない。
ただAの会社とBの会社で掛け持ちしていて、両方の会社でこの条件を満たしていたとしても、雇用保険の場合は両方に加入できず、一方を選ばないといけないんだ。
AB両方の会社に加入条件がある場合、Aの会社ですでに入っていることをBの会社に説明する必要があるから、ここでバレてしまう可能性があるんだね。
1日だけ働くような単発派遣の日々紹介を利用してる人なら多いけどね。
同一の派遣会社での掛け持ちは難しい
だから同じ派遣会社で掛け持ちするのは難しいかな。
週40時間を超えると割増労働法では1日8時間、週40時間を超えた場合、残業代として割増料金を支払わなければならないんだ。
例えば
Aの派遣会社→「aの派遣先へ週20時間」「bの派遣先へ週20時間」
このように派遣されている場合は問題ない。
だけど
Aの派遣会社→「aの派遣先へ週40時間」「bの派遣先へ週20時間」
このような場合、合計で20時間分超過しているから賃金割増が発生するんだね。
残業代は本来派遣先に請求できるものだけど、どちらの派遣先も実際には残業してないから(aは40時間、bは20時間)、請求するのは難しい。
結果、派遣会社負担になるんだ。
そのような無駄は派遣会社も避けたいから、「労働時間が40時間を超える紹介はしない」というのが一般的だね。
注意ポイント
ちなみにこの1日8時間、週40時間は会社毎ではなく個人単位での計算なんだ。つまり正社員として40時間働いていたとしたら1時間でもアルバイトをすれば、アルバイト先は時給+割増料金を支払わないといけないんだね。
ただよっぽどスキルが高い者でない限り、アルバイト先が割増料金を支払うとは考えにくい。その為、アルバイトでも派遣でも黙って掛け持ちをする人が多いんだ。
掛け持ちをする場合の注意点
他に掛け持ちで気をつけた方がいいことってあるか?
あとは「源泉徴収票を貰い納税をきちんとする」のを忘れないことだね。
社会保険が自己負担になる可能性
社会保険の自己負担楓ちゃんのように主婦の人は、夫の社会保険に加入している、つまり扶養に入ってる人が多いよね。
ただ、年収の合計が130万を超える場合、夫の扶養から外れ社会保険への加入が必要なんだ。
つまり今までは社会保険料の負担が0だったけど、自分で支払わないといけなくなるんだね。
この時通常なら、健康保険料や厚生年金料は労使折半になるから、労働者と派遣会社が折半をして支払うことになる。
ただ掛け持ちの場合は、社会保険加入条件を満たしていたとしても、それぞれの会社の加入規定(1週間、または1か月の勤務時間が通常社員の4分の3以上である。など)には当てはまらない可能性もある為、保険や年金に自分で加入する必要があるんだ。
結果全額自己負担になってしまうというケースがあるんだね。
雇用保険は収入の多い方で入る
雇用保険の加入冒頭でも話したように、掛け持ちをしていた場合、雇用保険に2重に加入することができない。
だから必ず収入の多い方で入ろう。
例えBの会社の方が労働時間が長くても、Aの会社の方が給料が高いのなら、Aの会社で雇用保険に加入するんだよ。
派遣社員が副業をする場合は、源泉徴収票をもらい自分で納税
必ず源泉徴収票をもらい納税しよう。
掛け持ちはあまりメリットがない。する場合は必ず伝えよう
1つの派遣先で集中して働く方が残業代もあるし、時給が上がる可能性もあるからオススメだよ。
そういう時は派遣会社には黙って掛け持ちした方がいいのか?
今まで話した通り黙っておくメリットがないし、事情を話せば協力的になってくれると思うよ。