今まで「はけんけんぽ」に加入していた楓ちゃんですが、派遣会社から「『はけんけんぽ』は解散したので、『協会けんぽ』に加入してもらう」と言われました。
保険を全て身内に任せっきりだった為、制度のこともいまいち分かっていません。
ここでは「社会保険」について簡単におさらいしながら、「協会けんぽ」とはどのようなものなのか?について一緒に見ていきましょう。
また『はけんけんぽ』との違いや、特徴・福利厚生、メリットデメリットなどについても解説します。
私、保険関係に本当弱いのよね。。。
入りたい奴だけ入ればいいんだよ。
条件を満たしていた場合、『協会けんぽ』には必ず入らないといけないんだ。
私、保険のことよく分からなくて。「協会けんぽ」について教えてもらえますか?
と言ってもすでに『はけんけんぽ』に加入している人は手続きは必要ないから大丈夫だよ。
協会けんぽの保険証が郵送されるから、派遣会社にはけんけんぽの保険証を返却するだけだよ。
社会保険とは何か?
社会保険とはなにか例えば将来、病気になった時や怪我をした時、お医者さんにかかることになるよね?
ただ医療費は莫大なお金がかかる為、簡単に払える額ではないし、全額支払うことになれば貧困に陥ってしまう可能性もある。
それらを防ぐ為、もしもの時は保険から医療費を何割か負担するから、毎月保険代を支払いましょうというのが「健康保険」なんだ。
「健康保険」は「社会保険」の中の1つで、「社会保険」の中には他にも色んな種類の保険があるんだよ(後述)。
要するに「社会保険」は様々な局面で、国民の生活を保証する為のものなんだね。
社会保険と国民健康保険
「会社員が加入する保険」と「会社員以外が加入する保険」と考えると分かりやすいかな。
社会保険と国民保険日本国民が入る保険の種類には大きく分けて「社会保険」と「国民健康保険(+国民年金)」の2種類があるんだ。
一般的に何処かの会社に勤めている人が入る保険が「社会保険」。
自営業やフリーランス、フリーターや無職の人が入る保険が「国民健康保険」だよ。
どちらも、怪我や病気をした時の為に必要なものであり、「強制」や「義務」という考えよりも「自動加入」なんだ。
社会保険の種類
社会保険の中に含まれているもの
- 健康保険
- 厚生年金
- 介護保険
- 労災保険
- 雇用保険
5つの保険
保険には今まで説明してきたような「医療関係」の保険もあれば、「年金」に関する保険や、「介護」に関する保険など様々なものがあるんだ。
社会保険には5つの保険内容が含まれていて、それが「健康保険」「年金保険」「介護保険」「労災保険」「雇用保険」だよ。
個人事業主や無職の人が加入する「国民健康保険」はこの中の「健康保険」に該当するんだ。「年金保険」に該当する「国民年金」もあるよ。
フリーの人は「国民健康保険」と「国民年金」に加入で、それぞれ「医療」「年金」に該当するんですね。
健康保険の運営
「健康保険組合」と「全国健康保険協会」という組織だね。「組合健保」と「協会けんぽ」なんて言い方もするよ。
「組合健保」と「協会けんぽ」会社員が加入する「健康保険」には、大きく分けて2種類の組織があるんだ。
自社で設立したものが「組合健保」で、国で用意したものが「協会けんぽ」と考えると分かりやすいかな。
「健康保険組合」は自社で設立することができるんだけど、国に認めてもらう為には条件があって、「社員数が700人以上であること」、もしくは「同業種の企業と一緒になって計3000人以上の社員であること」が必要なんだ。
だから大企業に多いのが「組合健保」で、自社で組合を持てない中小企業に多いのが「協会けんぽ」なんだ。
例えば会社に入社した場合、その会社は「組合けんぽ」か「協会けんぽ」のどちらかを用意しているから、入社した段階でその会社の保険に自動加入することになるんだね。
また他の組織として公務員が加入する「共済組合」というものもあるよ。
はけんけんぽとは何か?
もしかして「はけんけんぽ」は組合健保の種類の1つなんですか?
派遣会社によって様々な「組合健保」があるんだけど、その中の1つに「はけんけんぽ」があるんだ。
はけんけんぽの解散はなぜ?
[st-kaiwa3r]簡単に言うと運営が難しくなったんだね。[/st-kaiwa3]
2019年4月1日付ではけんけんぽは解散したんだ。
はけんけんぽは国内第2位の健康保険組合で50万人を超える組合員がいたんだけど、解散したことで大半の派遣会社は協会けんぽへ移行したよ。
はけんけんぽが解散になった理由は、高齢者が多くなったことや高齢者の医療費がかさみ運営が難しくなったからなんだ。正直、似たような状態の組合は多いから、これからも増えるかもしれないね。
組合の特徴は運営方針を組合会で決定できることで、加入員から徴収する保険料も組合が決められるんだ。
そのため、多くの組合はけんぽ協会の平均保険料率10%より安く保険料率を設定していた。
しかし、最近10年で大幅に保険料率は上がってきていて、はけんけんぽは一般保険料9.70%、介護保険料(40歳以上65歳未満が対象)率1.94%で運営していたんだ。
組合健保の平均保険料率より高く、財政的にかなり厳しかったんだと思うよ。
協会けんぽになった主な派遣会社
・テンプスタッフ
・スタッフサービス
・アデコ
・パソナ
・マンパワーグループ
・アヴァンティスタッフ
・ヒューマンリソシア
・ウーマンスタッフ株式会社
月々の保険料が「協会けんぽ」より安いのが特徴だね。
はけんけんぽと協会けんぽで何が変わった?
①保険料率の変更
協会けんぽの2019年の保険料率を比べてみえると、多くの派遣社員は保険料が上がったと推測できるね。
はけんけんぽの保険料率は全国一律だったけど、協会けんぽの保険料率は都道府県別に違うんだ。しかも、保険料率は住んでいる都道府県の率ではないんだ。
派遣会社が健康保険の事業所として届け出た所在地のある都道府県となるんだね。仮に東京の派遣会社にいても、その会社が大阪で事業所届をだしていれば大阪の保険料率で保険料は計算されるよ。
はけんけんぽの保険料9.70%を基準すると | 東京都 | 大阪府 | 神奈川県 | 長野県 |
9.90% | 10.19% | 9.91% | 9.69% | |
保険料は増加 | 保険料は増加 | 保険料は増加 | 保険料は減少 |
②健康診断の変更
今までは35歳未満でも一般的な検診を受けれたけど、協会けんぽの健康診断料の補助は35歳以上。
協会の指定病院以外は補助金が使えないため、健康診断を受ける病院が限られるんだ。35歳未満は会社の費用で健康診断を受診することになるよ。
もちろん健康診断を年一回行うことは法律で決まっているから、35歳未満でも必ず受ける必要はあるんだ。
女性が気になる乳がんや子宮がんの検診も無料ではないんだ。一定年齢以上の偶数年齢のみ補助金を使って検診できるよ。その場合は一部自己負担だね。
ちなみに全額自己負担で検診を受けるなら毎年でも受けられるよ。会社によっては自己負担分を会社が負担してくれる良心的な会社も少数だけどあるから要確認だね。
(出典:全国健康保険協会「平成31年度用健診パンフレット」)
協会けんぽにも高額な医療費を立替えせずにすむ限度額適用認定などのお得な制度はあるんだけど、正直、政府が運営にかかわっているので法律を守って運営されているイメージ。
残念ながら、はけんけんぽほど手厚いイメージはないんだ
『協会けんぽ』と『リクルート健保』やその他の健康保険と、どう違う?
【協会けんぽのメリット】
・国の保険のため解散がない。
・法律が改定されるたびにおきる制度変更への対応が早い。
【協会けんぽのデメリット】
・法律以上の助成がない。
例えば、育児出産一時金に法律の定めた額に10万上乗せするなどの対応はない。
・比較する組合によっては保険料率がかなり高い。(2019年のリクルート健保の保険料は8%)
・組合のように手厚い福利厚生がない
協会けんぽの任意継続
協会けんぽへの適用除外社会保険の加入条件については、派遣の社会保健加入条件は2ヶ月から。派遣社員の保健の仕組みも参考にしてみてね。
初めにも言った通り、ほとんどの場合は自動加入なんだけど、特定の条件に限り適用が除外されるよ。
特定の条件とは主に「常用的な使用関係にない者」を指しており、「2ヶ月以内の期間の場合」「日雇い派遣の場合」「季節的業務の場合」「臨時的事業での業務の場合」が当てはまるんだ。
仕事終了する度に「協会けんぽ」から「国保」に切り替えるのか?
「
任意継続
「はけんけんぽ」と同じように、待機している仕事の中断期間中も、継続して加入できる点が挙げられるんだ。
「同じ派遣会社で、登録型の派遣社員として働くこと」「 仕事終了時に、次の仕事(1ヵ月以上の契約)が確実に見込まれていること」「 次の仕事が1ヵ月以内に開始されること」が条件で、どれが欠けても終了になるよ。
ちなみに「見込まれている」とは「契約」もしくは「契約することが決まっている」ことを指すよ。勿論任意継続も可能だよ。
ただ任意継続なら、仕事を終了してもそのままの保険を2年間利用できるんだ。
簡単に言うと「国保」より「協会けんぽ」の方が保険料が安い場合はお得だから、そのまま使えるてことだね
詳しくは派遣の2年間の任意継続を参考にしてね。
協会けんぽと扶養家族
このような場合、被扶養者は被保険者と同じ保険に加入することができるんだよ。
派遣で働いている人が扶養家族を持っていることは少ないけど、シングルマザーが子供を扶養に入れる場合は多いね。