派遣で働く時『一般派遣』と『特定派遣』の2つがありますが、いまいち違いが分からない楓ちゃん。ここではそれぞれがどのような働き方なのか一緒に見ていきましょう。
また『常用型派遣』と『登録型派遣』、『常用型派遣』と『無期雇用派遣』の違いについても解説いたします。(『無期雇用派遣』について、詳しく知りたい方は無期雇用派遣とは?有期雇用派遣や正社員との違い・デメリットも参考にして下さい。)
ちなみに2019年現在、特定派遣は廃止され一般派遣と一本化されています。『特定派遣』については知らなくても問題ありません。
特定派遣は2018年の9月30日以降完全廃止
・・・何言ってるか全然わかんない!
じゃあそれを踏まえて、今日は『一般労働者派遣』と『特定労働者派遣』の違いについて説明しようか。
一般労働者派遣と特定労働者派遣の違い
- 一般労働者派遣・・・登録型派遣+常用型派遣
- 特定労働者派遣・・・常用型派遣のみ
特定労働者派遣事業は常用型派遣のみ
つまり楓ちゃんは派遣会社の契約社員と考えると分かりやすいね。で、このような派遣の仕方を常用型派遣と言うんだ。
一般労働者派遣事業は登録型と常用型派遣の両方
これはさとる君の派遣先が決まってから(派遣会社登録→求人エントリー→顔合わせ→採用が決まってから)、派遣会社とさとる君が雇用関係を結ぶんだ。一般的に派遣と呼ばれるものはこちらだね。
「一般労働者派遣事業」は、この『登録型派遣』とさっきの『常用型派遣』の2つを行う派遣事業を指すんだ。
特定労働者派遣事業の楓ちゃん・・・派遣会社へ登録=派遣会社の契約社員となる。
社員の為、派遣会社に指示された派遣先で働く。派遣先の仕事が終わっても、派遣会社との契約は継続される(常用型派遣)。
一般労働者派遣
さとる君
一般労働者派遣事業のさとる君・・・派遣会社へ登録後、派遣先を自由に選び、働き先が決まってから一時的に派遣会社と雇用関係を結ぶ。
派遣先の仕事が終われば派遣会社との雇用関係もなくなる(登録型派遣)。ただし一般派遣事業の中にも常用型派遣はある。
一方、登録型派遣は雇用関係がなくなるから、次の仕事先が見つかって働くまでは給料は発生しないよ。
常用型派遣のデメリット
なのに派遣会社の言う通りに働く必要があるから、フルタイムで働く必要があったり仕事が選べなかったり、「派遣」=「正社員に比べて楽」という最大限のメリットが活かせない可能性が高いんだ。
常用型派遣のデメリット他にも、派遣会社が指示する派遣先で働くため引っ越す必要があったり、デメリットはいくつもあるんだ。
派遣先が変わる都度、1から仕事を覚えないといけないし、周りと馴染む必要があるから、適応力やコミュニケーション能力が必要になるね。
常用型派遣は、正社員と同等の仕事量なのに、待遇が正社員より低いというデメリットがあるんだ。
もちろん待遇や労働環境は派遣会社によって変わるし、まともな派遣会社なら問題ないけど、こういうこともあることは頭に入れておこう。詳しい常用型派遣のデメリットは「常用型(正社員型)派遣やめたほうがいい実態」でも解説されているよ。
特定派遣事業は届出制、一般派遣事業は許可制
どっちもやったらいいのに
一般派遣事業を行うには許可が必要『特定派遣事業』は「届出」をするだけで事業を開始することができるんだ。つまり『特定派遣事業』なら誰でも簡単に派遣会社を始めることができる。
一方、『一般派遣事業』を行うには「許可」が必要で、ある一定の基準をクリアしないと事業を行うことができないんだ。
だからその基準をクリアできない派遣会社は一般派遣事業をやりたくてもできないんだよ。
- 基準資産額を満たしている
- 基準事業所面積を満たしている
- 教育訓練が無償で行われている
- 個人情報を適正に管理できている
- 専ら派遣を目的として行われていない
- その他
特定派遣事業は改正法により廃止
特定労働者派遣事業の廃止2015年の派遣法改正により、特定労働派遣事業は廃止されることが決定したんだ。だから今から派遣会社を作る場合、「一般派遣事業」しかできなくなった。
また今まで「届出」だけで済んでいた派遣会社も、みんな「許可」をとらないといけなくなったんだ。
「特定」から「一般」派遣事業へ変わる為の経過措置として、3年間の猶予期間が与えられているから、2018年の9月29日までは「特定派遣事業」が存在していたんだね。
2018年9月30日以降から一般派遣事業に一本化されたんだ。
・・・あっ、そっか!悪質な会社が増えるんだ
それらを懸念して廃止する方向に決まったんだよ。
特にIT関係は特定派遣で成り立っている会社も多いから問題になっているんだ。
常用型派遣と無期雇用派遣勘違いしがちだけど、2015年の派遣法改正はあくまで『特定労働者派遣』が廃止されただけで、『常用型派遣』が廃止された訳ではないことに注意しよう。
2018年9月30日以降でも、「一般労働者派遣」の中での「常用型派遣」は存在するよ。
ただし常用型派遣というのは、特定派遣事業があった時代の呼び方で、現在の一般派遣事業の中にある『常用型派遣』は『無期雇用派遣』と呼ぶのが一般的だね。
厳密に言えば『無期雇用派遣』は『常用型派遣』の中の1つなんだけど、どちらも同じ意味と考えておけば問題ないよ。
更にもう1点。『一般労働者派遣』も現在は『労働者派遣』という名前に変わっているんだ。
『一般労働者派遣』と『特定労働者派遣』が『一般労働者派遣』に一本化されて、名称が『労働者派遣』になったということだね。
無期雇用派遣とは?常用型派遣や正社員との違い
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一般派遣事業には「派○○-××××」という番号が、特定派遣事業には「特○○-××××」という番号が書かれていたんだ。
今は全て「派○○」に統一されているよ。
特定労働者派遣
楓ちゃん