派遣先から「直接雇用契約を結ぶことはできないか」と打診された楓ちゃん。ここでは「契約満了後に派遣先と直接雇用契約を結ぶことは可能なのか」「派遣途中で契約を中断し契約を結ぶことは可能なのか」について一緒に見ていきましょう。また派遣途中で紹介予定派遣へと切り替えて直接雇用契約を結ぶ方法についても解説させていただきます。
派遣法では派遣途中でも直接雇用を結ぶことはできる
派遣先から「正社員にならないか?」って誘われたんだけど、契約途中でもできるのかな。。。
止むを得ない理由があれば、派遣途中でも派遣先と直接雇用契約を結ぶことは可能だよ。
ただ理由がない場合は損害賠償に発展するケースもあるから注意が必要だね。
派遣の契約途中でも打ち切って直接雇用を結ぶことはできる優秀な派遣スタッフや、これからも一緒に仕事をやっていきたい派遣スタッフの場合、楓ちゃんのように直接雇用契約を結び、自社で囲いたいと考える企業も多いんだ。
そういった場合、派遣契約が一旦終了してから、改めて直接雇用の話をするのが一般的であり、これ自体は一切問題ないんだ。
だけど極稀に派遣途中で「直接契約をしないか」と誘いを受けることもある。
この場合も、派遣先と労働者で話し合い、労働時間や賃金など労働条件で双方が合意すれば、契約を結ぶことは可能だよ。派遣法にはこれらを禁止するルールはないんだ。
ただし、労働者は話を受けたら真っ先に派遣会社に伝えないといけないよ。
中途解除にあたる為、満了後の直接雇用が望ましい
途中でも直接雇用契約を結べるって意外だな!
法律って色々面倒そうなのに。
派遣法はあくまで労働者が雇用の機会を失わない為のルールだからね。
派遣のような一時的な働き方でなく、直接雇用されるのならとても良いことという考え方なんだ。
でも派遣会社が納得してくれなさそう。。。
そう。実は派遣法的には問題なくても派遣元が納得するかは別問題なんだ。
場合によっては認めてくれず、契約解除の責任を問われる可能性もあるよ。
損害賠償請求の可能性も派遣途中での直接雇用を禁止することはないけど、それはあくまで派遣法での話。
契約途中での直接雇用は中途解除にあたるし、最悪、契約不履行として派遣会社が派遣先や労働者に損害賠償を求めるケースもあるね。
派遣先にとって優秀なスタッフということは、派遣会社にとっても優秀なスタッフであり、自社で囲っていたいと考えているのに、中途解除されるのは大問題。
派遣会社からすれば、引き抜き行為にあたる訳だから、揉めるケースも少なくないんだよ。
だからそれらを防ぐ為にも、直接雇用契約はできる限り派遣契約が満了してから行うのがおすすめだよ。
稀に、契約が終了してから直接雇用契約をしているにも関わらず、派遣会社が文句を言うケースもあるけど、これは謂れのないことなので気にしなくても大丈夫だよ。
期間中の直接雇用なら紹介予定派遣に切り替える方法も
じゃあ派遣の終了期間がまだまだ先の場合は、長期間待たないといけないんだな。
もう1つ抜け道として紹介予定派遣へ切り替えるという方法もあるよ。
それなら途中での直接雇用も可能なんだ。
三者にメリットがある紹介予定派遣への切り替えどうしても途中で直接雇用を結びたいと考えるなら、紹介予定派遣へ切り替えるという方法もあるんだ。
(紹介予定派遣は正社員前提の派遣で、一定期間派遣として働けば直接雇用へと切り替わる制度。詳しくは紹介予定派遣のメリット・デメリットも参考にしてみてね。)
こうすることにより、派遣会社には紹介料が支払われるから派遣会社も納得してくれる可能性が高まるんだ。
紹介予定派遣に切り替える為には、三者(派遣会社ー労働者ー派遣先)の同意が必要だよ。
また派遣会社が有料職業紹介事業の許可を受けている必要があるよ。
できる限りは契約満了してから直接雇用契約を結んだ方が良さそうですね。