派遣先から「契約を解除したい」と告げられたさとる君。でも契約途中にも関わらず打ち切ることは可能なのでしょうか。
ここでは「派遣と契約解除」について、「派遣先都合の場合」「労働者に問題があった場合」の2つに分けて見ていきましょう。
また途中解約時の「予告」や「給料の補償」について、「派遣元での解雇」についても解説します。
やむをえない場合でない限り、派遣先都合での契約解除はできない
契約解除は派遣契約解除の意味当然、派遣先の都合だけで契約を中途解除することはできないよ。
派遣の「契約」とは、派遣会社と労働者の「労働契約」と、派遣会社と派遣先との「派遣契約」の2種に分かれる。
派遣先とさとる君の間に契約は無く、派遣会社との「派遣契約」を通して働いているんだ。
つまり今回の契約解除とは「派遣契約」に該当する。派遣先が派遣会社との契約を解除をすると言う意味になるんだね。
無論、希望とちょっと違った程度では、そんな勝手は許されないよ。
派遣先が契約解除またはスタッフ交代を求めるには
労働者に問題がある場合は「よほどのことをした場合」かな。
不当な中途解除の禁止
- 国籍・信条・性別・社会的身分を原因としない
- 結婚・妊娠・出産を原因としない
- 会社の法違反を行政機関に通報したことを原因としない
- 労働組合に加入したことを原因としない
派遣先が解除するには派遣先は上記のような不当な理由で派遣契約を解除することはできないと法律で決められているんだ。
契約解除が可能なのは、派遣労働者が社内の機密情報を漏らしていたり、無断欠勤をしたり、業務を行う能力が全く足りていなかったり、契約不履行にあたるような「よほどのことをした」場合のみ。
そのような条件が整った場合でも、まず派遣先は派遣元に相談し、労働者の交代を求めることから始める必要があるよ。いきなり契約を解除することはできないんだ。
もし相談しても話がうまくすすまなかった場合に限り、契約を解除できるんだね。契約時に解除事由について定めている筈だから、それに基づき派遣元と協議して解除へと進んでいくんだよ。
ただ派遣社員の不履行を証明するのは簡単ではないから、普段の働きで「何が駄目」で「何ができていなかったのか」を事細かく記しておき明示する必要があるよ。
それができない場合、勝手な契約解除と判断され、派遣先は賠償金を支払わなければいけない可能性もあるんだ。
したがって、よほどのことがない限りは「途中解除」になる心配はないと考えて問題ないよ。
逆に、派遣先が不履行を証明できる場合は、派遣元の対応次第で、派遣元に対し責任を追求することもできるし、損害賠償を請求することもできるよ。
また特別な事例として、派遣先に問題が起こった場合、例えば業績不振などの場合も契約解除することは可能。
だけど、かなり前に解除予告が必要だし、予告ができない場合は30日以上分の賃金に相当する損害賠償を支払う必要もあるんだ。
途中解除されても労働契約は維持される
労働契約が解除される場合仮に派遣元と派遣会社との協議で、派遣契約が解除されることが決定しても、派遣元と労働者の労働契約は解除されないよ。
派遣元はただちに新しい派遣先を用意する必要があるし、派遣先も新しい就業先を紹介できるよう努めないといけないんだ。
また新しい派遣先が決まるまで休業手当が派遣元から支払われるし、派遣先からもそれに対する負担する責任があるよ。
ただし労働者側に責任があった場合は解雇相当理由になるので、雇用契約も解除され手当も発生しないから、くれぐれも注意してね。