派遣で度々耳にする『専門28業務』。
ですが、それがどのようなものなのかイマイチ分からない楓ちゃん。
ここでは「専門28業務・自由化業務とは何なのか?」「専門28業務の種類」を一緒に見ていきましょう。
また「なぜ廃止されたのか」「廃止にともなう2018年問題」と「これからの派遣の働き方」についても解説いたします。
この2つってどう違うんですか?そもそも何??あー!!
まず「専門28業務」と「政令28業務」は同じ意味なんだよ。
もう分かんねーよ俺!
これも同じなんですか?どうなってるんですかー!?
うーん・・・じゃあ今日は専門28業務について順に解説しよう!
だから今は頭の片隅に入れておけば問題ないからね。
専門(政令)26業務とは? 専門(政令)28業務とは?
だから法で指定された少数の業務以外は派遣できなかったんだよ。
昔は数業務しか派遣できなかった派遣法が定まった当初は、「翻訳・通訳・ワープロ操作」など、28業務より少ない業務に限り派遣の仕事が認められていたんだ。
これらの仕事は専門性が高くて、技術、能力も必要だから「専門性の高い仕事を短期的に雇用する」という趣旨に合っていたんだね。(当時はワープロ操作できる人は希少だったんだ)
で、その後「この仕事も専門性が高くない?」とか「この業務は技術や能力が必要だね」と議論され、派遣可能な業種が26業種まで増えたんだ。派遣法が改正されたんだね。
これをもって「専門26業務」と言い、26業務が最終的に派生して28業務になったので「専門28業務」と呼ぶんだよ。
・ソフトウェア開発・機械設計・放送機器等操作・放送番組等演出・事務用機器操作・翻訳、通訳、速記・秘書・ファイリング・調査・財務処理・取引文書作成
・デモンストレーション
・添乗
・建築物清掃
・建築設備運転、点検、整備
・案内、受付
・駐車場管理等
・研究開発
・事業の実施体制等の企画、立案
・書籍等の制作、編集
・広告デザイン
・インテリアコーディネーター
・アナウンサー
・OAインストラクション
・テレマーケティングの営業
・セールスエンジニアの営業、金融商品の営業
・放送番組等における大道具、小道具
・上下水道施設、一般廃棄物処理施設の運転・点検
派遣自由化業務へ 無期限と3年の期間
派遣の自由化業務
高いスキルが必要な仕事なら、仮に派遣の契約が終了しても、労働者は直ぐに次の仕事に就ける可能性が高いから、若い内は労働者の生活が不安定になる心配はあまりない。
こういった理由から派遣はあくまで「専門性の高い仕事」のみに限られていたんだ。
ただそれ以外の業務でも、派遣の仕事をやりたい人とか、派遣に働いてもらいたい企業が増えてきたから、法改正で「ごく一部を除く全ての仕事が派遣可能」になったんだ。
ちなみにこれは「自由化業務」と呼ばれていて、ほとんどの派遣の仕事はこちらを指すので「一般派遣」とも呼ばれているね。
ただし労働者の安定を守る為に、「専門26業務は無期限で派遣可能」だけど、「自由化業務は3年の上限」という法律が出来上がったんだ。
ただその後リーマンショックで大量解雇され、大きな問題にもなったんだよ。
その後、28業務+自由化業務になったってことですね。
専門28業務の廃止
だけど専門28業務と合体して、新しく「事業所単位と個人単位」の派遣期間制限3年というルールができたんだ。
3年ルールに関しては「派遣の抵触日。個人・事業所単位の3年」を参考にしてね。
専門28業務は何故廃止されたのか?専門28業務が廃止された理由の1つに「国として正規雇用の比率を上げたい」というのがあるんだ。
廃止前だと派遣社員を利用する側も無期限に続けてしまうし、派遣される社員も居心地よく長年働いてしまう。
なのに派遣社員で一定年数以上働いても、スキルが上がらないことが多いから、40代・50代になって派遣終了になった時、行き場が無い人が増える危険があるんだ。
だから派遣社員に対して「やめる機会」を作り、正規雇用への活動を促す意図がこの改正にはあるんだ。
またもうひとつの理由として、「専門性の高い仕事の線引きが難しく実質形骸化している」点が挙げられるね。
本来なら専門28業務外の内容なのに、「専門28業務に該当する」として、派遣社員を無期限に雇用することも昔はあったんだよ。
派遣社員は皆正社員になりたいわけじゃなくて、長く派遣社員として続けたいだけという人も多いのに、3年という上限ができたわけだからね。
廃止されたことによる今後の影響。派遣の働き方はどう変わる?
派遣の2018年問題2015年の法改正前から、ずっと専門28業務で就業していた人達も、期間は一旦リセットされている。つまり法改正時の2015年9月から計算して上限3年と設定されている為、3年間は今まで通り働くことが可能なんだ。
ただ2018年9月30日で3年の経過日を迎えることになる。
3年経過したら
・派遣終了
・派遣先で直接雇用される
・派遣元で無期雇用される
のどれかを選ばなくてはならない。
派遣先としては慣れた派遣社員に続けて欲しいのは山々なんだけど、直接雇用すると、固定費人件費が増えるから直接雇用はしたくないというのが本音。
派遣会社は無期雇用(派遣会社が期限がない直接雇用)をすると、その派遣社員が派遣先での業務終了になったとしても給与を支払い続けなければならないからリスクが高いし無期雇用はできればしたくない。
かといって、どちらにもなれない(派遣終了)の人が大量に出ると、社会問題になる。
だから派遣全体で今頭を悩ましているのが2018年問題なんだ。
例えばテンプスタッフでは「ファンタブル」、リクルートスタッフィングでは「キャリアウィンク」という無機雇用での派遣をスタートさせているんだ。
ただどの派遣会社もすぐに大量の人材を無期雇用には切り替えできないから、採用要件も現時点ではかなり高いことが多いね。
派遣会社の義務改正後の派遣法では、「派遣会社が派遣先へ直接雇用の依頼をすること」もしくは「新しい派遣先の提供」「紹介予定派遣を行う」等も含まれているんだ。
労働者が仕事に就けるよう、派遣会社は努力するよう義務付けられているんだよ。
また派遣会社との間で、有期労働契約が通算5年を超えて更新された場合は、無期雇用に転換できるというのもあるよ。これは派遣会社は断ることができないんだ。
この改正で問題が起こらないよう、国もできる限り対策はしているんだね。
でも2018年問題か・・・どうなるんだろ。