今日はさとる君の派遣初めての給料日。しかし貰った給料を見てみると、保険料や税金が天引きされており、予想していた額より随分少なくなっていました。
ここでは派遣社員が給料から引かれる「社会保険料」と「税金」について一緒に見ていきましょう。
また「社会保険料と税金の計算方法について」「時給1100円〜1800円、月給18万〜30万の場合、手取り額はいくらになるのか」「派遣会社による保険料の違い」等も解説させていただきます。
派遣社員の手取り計算 給料から「何が」「いくら」引かれているの?
予想してた給料の額より、かなり少ないんだけど!
ポイント
社会保険とは国民の生活を保証するもので、病気をした時に安く医療処置を受けたり、失業した時に給付金を受けれるよう、前もって保険料を払っておくものだね。
「2ヶ月以上にわたる雇用」「所定労働時間が3/4以上」の場合、加入しなければならないんだ。
(社会保険については詳しくは、派遣の社会保健加入条件は2ヶ月から。派遣社員の保健の仕組みを参考にしてね。)
そんだけ加入してほしけりゃ「プロ野球チケット」とか「洗剤」とか家まで持ってこいよ。
条件を満たしたら全員加入する義務があるのよ。
給料から社会保険料(健康保険料・厚生年金料・雇用保険)が天引き
「時給」と「労働時間」を単純にかけた額と、実際の手取り額は違うことは頭に入れておいた方がいいね。
ある派遣社員の『時給が1400円』として『8時間労働』『週5日』働いたと仮定した場合、月給は1400円✕7.5時間✕22日=23万1000円となる。
単純計算で、この額がそのまま給料として貰えると誤解しがちだけど、ここから『社会保険料』が天引きされるんだ。
給料額によって保険料の額は変化するけど、目安としてランスタッドが掲載している保険料一覧表を参考にしよう。
上記「23万1000円」を例にすると、「等級が19」に当たり、「健康保険料が10200円」「厚生年金料が21960円」「雇用保険が693円」で「198147円」が社会保険料控除後の給料となるね。(「地域」や「保険の種類」「事業」など、状況によって保険料は変わるのであくまで目安)
注意ポイント
雇用保険料は「雇用保険=給料の総額✕0.3%」で求めることができるよ。
ちなみに40歳以上は『介護保険料』が1920円あるけど、毎月の社会保険料は、概ねこの額と考えておけば問題ないよ。
給料から税金(所得税と住民税)が天引き
所得税は、「社会保険料控除後の給料(上記計算の例では198147円)にかかる税金」で、国税庁のHP『令和3年給与所得の源泉徴収税額表』に当てはめれば分かるよ。
198147円にかかる所得税は4700円。
住民税は1年間の年収や住んでる地域、家族構成(扶養)などで計算がかなり変わるので、ここでは大体9000円で設定。
198147円ー4700円ー9000円=184447円が『手取り』となるんだ。
派遣が初めてならこちら
派遣の手取り早見一覧表(時給1100〜1800円・給料18万〜30万)
その後は各派遣会社のマージン料(仲介手数料)についても解説するね。
時給 | 月給 | 健康保険 | 厚生年金 | 雇用保険 | 社会保険料控除後の給料 | 所得税 | 住民税 | 手取り |
1,100円 | 1815,00円 | 7,650円 | 16,470円 | 544円 | 156,836円 | 3,200円 | 5,000円 | 148,636円 |
1,200円 | 198,000円 | 8,500円 | 18,300円 | 594円 | 170,606円 | 3,700円 | 6,300円 | 160,606円 |
1,300円 | 214,500円 | 9,350円 | 20,130円 | 643円 | 184,377円 | 4,200円 | 7,600円 | 172,577円 |
1,400円 | 231,000円 | 10,200円 | 21,960円 | 693円 | 198,147円 | 4,700円 | 9,000円 | 184,447円 |
1,500円 | 247,500円 | 10,200円 | 21,960円 | 742円 | 214,598円 | 5,270円 | 10,000円 | 199,328円 |
1,600円 | 264,000円 | 11,050円 | 23,790円 | 792円 | 228,368円 | 5,780円 | 11,000円 | 211,588円 |
1,700円 | 280,500円 | 11,900円 | 25,620円 | 841円 | 242,139円 | 6,320円 | 12,000円 | 223,819円 |
1,800円 | 297,000円 | 12,750円 | 27,450円 | 891円 | 255,909円 | 6,750円 | 13,000円 | 236,159円 |
(※1日7.5時間、月22日労働の場合。住民税は大体で計算。保険の種類や状況によって保険料率は変化するので、あくまで目安)
求人票の時給はマージンが引かれた価格
派遣ってマージン料も引かれますよね?ここから更に少なくなるんですか?
だからマージン料は気にする必要ないよ。
派遣のマージン派遣会社は労働者と派遣先の仲介料としてマージンをもらっているんだ。
派遣先から派遣会社に対し「派遣料金」が支払われ、そこからマージン数%を差し引いて、労働者の時給や日給になっているんだね。
派遣会社にはマージン率の公開義務があり、WEBサイトやパンフレット等から調べることができるよ。
マージン率が高くても福利厚生が充実していることがあるので、必ずしも悪いことではないことも覚えておこう。
派遣会社7社のマージン率比較
派遣は給料からマージン料(派遣会社が派遣 ...
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派遣社員の手取り給料の平均と最多額
これだけ引かれたら、かなり少ないんじゃねーの?
派遣の最多求人が一般事務で、平均時給が現在1,555円だから、総額で256,575円。
ここから社会保険と税金を引いた額が約20万円なんだ。
職種での給料差テンプスタッフが発表している「最も月収平均が高い職業」がSE職・プログラマー職で月収42万円。
ここから天引きして、手取り約33万円もらっていることになるね。
軽作業スタッフは平均時給が1100円台なので、手取り約15万円。派遣も正社員と一緒で選択する職種によって差が大きいんだ。
派遣会社によって組合が違うので保険料率も変わる
冒頭で話した「保険の種類によって変化する」というのが、これなんだ。
派遣会社と保険組合
派遣会社によって参加している保険の組合が違うから、保険料率も変わるんだ。(詳しくは「はけんけんぽの解散でどうなるの?|協会けんぽとの違いとデメリット」を参考にしてね)
冒頭に挙げた『ランスタッド』は『関東ITソフトウェア健康保険組合』という保険組合に加入している。
他にも『テンプスタッフ』や『アデコ』『ヒューマンリソシア』『パソナ』『スタッフサービス』など大手がたくさん加入している『協会けんぽ』。
『リクルートスタッフィング』の『リクルート健康保険組合(通称けんぽっぽ)』等があるよ。
派遣で一番多いのは「協会けんぽ」だけど、「関東ITソフトウェア健康保険組合」や「リクルート健康保険組合」に比べると、保険料率は少し高く設定されているね。
保険料の天引きだけで考えるなら「リクルートスタッフィング」や「ランスタッド」を視野に入れるといいね。