派遣社員として働くことになった楓ちゃん。しかし『派遣と保健』の仕組みがいまいち分かりません。
この記事では、生活に関わる5つの保健。特に、派遣社員として働くときに重要な『健康保健』と『厚生年金保健』について解説します。
『派遣社員が社会保健に加入する条件』『契約満了時の保健の扱い』について一緒に見ていきましょう。
5つの社会保険 「健康保険」「雇用保険」「年金保険」「介護保険」「労災保険」
さとる知ってる?
難しすぎて頭がパニックになるんだ
難しくて分かんねーから病院で診察受ける時、毎回10割負担してるんだ。
国民は自動加入だから入ってるのよ。
保険にはたくさんの種類があるけど、就業や就職に関わる保険は以下の5つ
就職に関する保険
- 健康保険
- 年金保険
- 雇用保険
- 介護保険
- 労働者災害補償保険(労災)
就職に関する保険
今回は、派遣社員に重要な2つの保健を見ていこう。
「健康保険」・・・病気や怪我の際に医療費の負担を軽くしてくれる
「年金保険」・・・老後に年金を受け取れる
この2つをあわせて「社会保険」と呼ぶことが多いので、今回は「健康保険」と「年金保険」で「社会保険」として説明するね。
「健康保健」
フリーランス・無職・フリーターは「国民健康保健」
会社勤めしている人は「社会健康保健」
「年金保険」
フリーランス・無職・フリーターは「厚生年金保険」
会社勤めしている人は「国民年金保険」
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派遣社員の社会保険加入条件について
というより条件を満たした場合、加入する義務があるんだ。
社会保健に加入する条件
社会保険への加入条件は、『雇用期間』と『労働時間』が一定の数字を超えた場合。
『雇用期間』の基準は2ヶ月。
2ヶ月以上働く場合は、社会保険に加入するんだ。2ヶ月以内の短期業務では加入できないよ。
契約の段階で2ヶ月以上就業することがわかっていれば、初日から社会保険に加入することも可能なんだ。
(※ただし派遣の初回契約は1ヶ月が一般的。これは社会保険を負担したくない派遣会社とスタッフ双方にメリットがあるからなんだ。詳しくは派遣の契約期間の希望は通るの?初回は1ヶ月が一般的を参考にしてね。)
『労働時間』の基準は、労働時間に加えて、労働日数にも基準がもうけられているよ。
時間は1週間の所定労働時間(大抵は正社員の労働時間)の4分の3以上。
日数は1ヶ月の所定労働日数の4分の3以上。
所定労働時間、所定労働日数ともに、派遣元のものが適用されるから、基準は所属している派遣会社によるんだ。勤める派遣先企業の形態ではないから注意しよう。社会保険料を負担するのは派遣社員と派遣会社で、派遣先企業ではないんだ。
また健康保険は75歳まで、厚生年金は満70歳になると加入できないよ。頭の片隅にいれておいてね。
社会保険の適用拡大
社会保険の適用拡大
- 所定労働時間が20時間以上
- 給与が8万8千円以上
- 雇用契約期間が1年以上
- 従業員数が501人以上の企業に就業している
- 学生でない
一般的には「2ヶ月以上の雇用+所定労働時間・日数の3/4以上」が加入基準だけど、「社会保健の適用拡大」条件を満たしている場合も社会保健に加入できるってことね。
契約更新、契約終了後の保険について
そんな時、保健はどうなるんだ?
ただこれも条件を満たせば継続可能なんだ。
社会保健の喪失と使用関係の継続契約が終了すると退職と同じ扱いになるから、社会保険の資格も同時になくなるんだ。
資格を喪失すると健康保健証も使えなくなるから、通常は「任意継続の手続き(後述)」をするか、「国民健康保険・国民年金」に切り替えることになるよ。
ただし派遣社員には、「使用関係の継続」という特別な取扱いがあるんだ。これは派遣先との契約が終了しても、一定条件を満たせば、引き続き社会保険に加入できるというもの。
「使用関係の継続」とみなされる要件は、
・「同じ派遣会社で、登録型の派遣社員として就業する」
・「契約終了後、次に就業するまでの期間が確実に1ヶ月以内である」
・「その他(次の仕事が月30時間以上など、派遣会社により異なる)」
これらを全てを満たしていることが条件なんだ。要するに1ヶ月以内に同一の派遣会社の紹介で、次の仕事が始まる人ってことだね。
この場合使用関係は継続されるから、手続きも一切必要ないよ。
任意継続について
ただし本人の申し出により、2年間は社会健康保険に加入できる制度があって、これを「任意継続被保険者制度」というんだ。
任意継続の条件
- 「退職などにより健康保険の被保険者資格を失っている」
- 「退職日までに継続して2ヶ月以上保険に加入していた」
- 「退職日の翌日より20日以内に、任意継続の申請をする」
任意継続のメリット
任意継続時の保険料は、派遣就業時に支払っていた額の2倍。
就業中は、派遣会社が半額負担してくれていたけど、退職後は全額自分で支払わないといけないから2倍支払うんだね。
こう見ると任意継続するメリットがないように見えるよね?
でもポイントは扶養なんだ。
国民健康保険には扶養という考え方がないので、扶養人数に対して保険料が追加される。
それに対し、任意継続は扶養の保険料をかけずに保険証を追加できるんだ。
つまり、さとる君の保険料が派遣就業時は7500円だった場合、国民健康保険に切り替えたら1万5000円となる。奥さんがいた場合、奥さんも1万5000千円支払うから、家族で計3万円。
ただ、任意継続すれば1万5千円で2人分の保険になり、お得ってことだね。(国民健康保険は単純に2倍ではない。また、扶養がいない場合は国保の方が安いことも多い。どちらが得かはチェックしよう)
また、任意継続保険には保険料の前納制度があり、希望するなら保険料の割引が適用されるよ。割引を受けるためには納付期限内に保険料を支払わないといけないから注意してね。
任意継続の被保険者でいられる期間は、最長で2年間。あと健康保険は任意継続できるけど、厚生年金には任意継続はないよ。
あとは書類を送付するだけ。任意継続の手続き後に、新しい保険証が発行されるよ。
分からないことは派遣会社や協会けんぽに質問するなどして、少しでも理解を深めておこう。