1日だけの短期派遣を探していた楓ちゃん。
しかし「法律で日雇い派遣は原則禁止されている」ことを知りました。
調べると例外事由もあるようですが、「自分が日雇い派遣ができる対象者なのか」分かりません。
この記事では「日雇い派遣の原則禁止」「例外事由となる対象者」について分かりやすく漫画風に解説。
また「対象者以外の人が短期派遣をしたい場合、抜け道はあるのか」一緒に勉強していきましょう。
日雇い派遣の原則禁止
結局、派遣って短期は無理なの?ていうか「原則」ってなんなの!
はっきりしてよ、もう。
つまり本当は駄目だけど、一生懸命に頼みこんだら出来るんだよ。
昔は誰でも日雇い派遣ができたんだけど、改正されて対象者以外は不可になったんだ。
2種類の日雇い派遣 『短期派遣』と『派遣バイト』
まず世間で『日雇い派遣』という言葉を使用した時、『短期派遣』と、『派遣バイト(造語。厳密には日々紹介と呼ぶ)』の2つの意味があるんだ。
この2つをごっちゃにして話すから分かりにくくなっているんだね。
どちらも派遣会社に登録し、企業で1日だけ働くという意味では一緒なんだけど、契約方法が全く異なるんだ。
ここから先で紹介するのは左側の『短期派遣』の方。本来の意味での日雇い派遣だね。
ポイント
右側の『派遣バイト』はフリーターや無職の人がよく利用している日雇い派遣。
ただ派遣バイトは派遣会社に登録しているだけで、直接契約はしていないから、厳密に言うと派遣ではないんだ。
後述する短期派遣対象外の人(フリーターや無職など)は、派遣バイトで働くことになるよ。(短期派遣対象者である学生や主婦も派遣バイトを選んで働く人が多いから少しややこしいんだね。)
派遣バイトで働きたい人は『日々紹介とは。デメリットと登録方法について』を参考にしてね。
日雇い派遣を禁止にしたのは細切れ雇用になるため
短期で働きたい人多いと思うけどなー。
いつ仕事がなくなるか分からない生活を毎日送ることになる。
だったら最初から止めようということで改正されたんだよ。
日雇い派遣の原則禁止の背景「日雇い派遣」とは、日々または30日以内の期間で契約を結び労働派遣することを指している。
昔は工場での流れ作業や、設営の仕事、引っ越しの仕事など、1日だけのスポット派遣が多かったんだけど、働く人の安定が脅かされることから、平成24年の10月以降、日雇い派遣は原則禁止に決まったんだ。
労働者の生活を安定させるためにとった措置の筈だったんだけど、結果的に働き口がなくなって困っている人が多くいるのも事実だね。
特に改正当時は仕事がなくなった人が大勢いたんだ。
日雇い派遣の例外事由 対象者は『18業務』と『主な稼ぎにならない人』
じゃあ「日雇い派遣ができる対象者」は、どんな奴なんだ?
「18業務の仕事」と「日雇い派遣が主な稼ぎにならない人」だよ。
日雇い派遣が可能な条件1 18業務(17.5業務とも言う)
- ソフトウエア開発
- 機械設計、製図
- 事務用機器操作
- 通訳、翻訳、速記
- 秘書
- ファイリング
- 調査、分析
- 財務処理
- 貿易取引文書作成
- デモストレーション
- 旅行添乗、送迎
- 受付・案内
- 研究開発
- 事業実施体制の企画、立案
- 書籍等の制作・編集
- 広告デザイン
- OAインストラクション
- セールスエンジニアや金融商品の営業
「一般的な仕事の日雇い派遣」は、言い方を悪くすれば誰でも出来る仕事。その為、いつでも切られる可能性があるし、労働者が不利になる可能性が高いんだ。
「18業務」なら専門性が高く代わりも少ないから、細切れ雇用の可能性が低くなる。だから「18業務の仕事に限り」日雇い派遣が許可されているんだ。
日雇い派遣が可能な条件2 主な稼ぎにならない人
- 昼間学生
- 世帯年収500万以上で主たる生計者以外の人
- 年収500万以上で派遣を副業とする人
- 60歳以上の高齢者
ポイント
世帯年収とは、1家族全員分の総支給額のことだよ。
「税金や保険など引かれる前の収入=総支給額」を家族全員分足した額だね。
「学生」「主たる生計者以外(主婦など)」「副業」「高齢者」は色んな日雇い派遣ができるんだ。
ただ丁寧な派遣会社なら定期的に確認しているよ。
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日雇い派遣の禁止を違反したら
ただ労働者が経歴を詐称して日雇い派遣を行なっていた時は解雇などの処置がとられるよ。
日雇い派遣禁止の抜け道?週20時間の壁と日々紹介
なんか抜け道ないのかよ。
31日以上の契約を結んで1日だけ働けば可能とは言われているけど実際は厳しいね。
31日以上の有期雇用契約冒頭でも話したように30日以内の労働契約を日雇い派遣といい、それは法律で禁止されている。
これはつまり契約さえ31日以上結ばれていれば、例え実際の就業がそれ以下でも、法律上は日雇い派遣には該当せず短期派遣が可能とも言えるんだね。
31日の契約の内1日だけの仕事も可能だし、初日と最後の日だけ働くような働き方も可能だよ。
ただこのような働き方は脱法行為とされており、限りなく黒に近いグレーなんだ。厚生労働省も、31日以上の契約なら週に20時間以上働いてないと「社会通念上妥当とは言えない」としているね。
20時間は1日7時間で計算すると週3日働く計算で、これくらいの短期派遣なら可能だよ。
ただもう1つ厄介なのが、週20時間以上働き、31日以上の契約を結んでいる場合、雇用保険に加入しないといけない決まりがあるんだ。
契約を31日以上結ぶ方法を「日雇い派遣の抜け道」として紹介している人もいるけど、ほとんど日雇いとは言い難いよね。
日々紹介企業と労働者が1日だけ(もしくは30日未満の期間)の雇用契約を結ぶ為に、派遣会社が企業を紹介する形を日々紹介と言うんだ。始めに紹介した『派遣バイト』だね。
本来の派遣は、派遣会社が派遣先に労働者を派遣し、労働者と派遣会社が雇用関係にある状態だよね?
ただこれだと法律上1日だけの派遣ができない。
だったら雇用契約は派遣先(厳密に言うと派遣ではなくなるが)と労働者が結び、派遣会社は紹介するだけという形をとっているのが日々紹介なんだ。
あくまで派遣ではなく仕事紹介という名目で、これを日雇い派遣の抜け道として利用する人も多いね。
ただこの方法は、派遣会社が雇用責任を負う必要がなくなるから、労働者はフォローを一切受けられないし、色々問題も多い。
正直あまりオススメはしないけど、どうしても日雇い派遣で働きたいなら、こういう方法もあるよ。
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