派遣で安定して働くため資格をたくさん取得している楓ちゃん。
では派遣スタッフが資格を取得すれば、本当に仕事探しや転職時の時給交渉等で有利になるのでしょうか?
ここでは、「派遣社員の資格の効果」について一緒に見ていきましょう。また「派遣社員に多少有利になるおすすめの資格」も解説いたします。
資格取得の効果



次は『洗車ソムリエ』か『お好み焼き検定』を狙ってるのよねー


これからの時代スキルがないと不安でしょ?ちょっとでも有利な評価がもらえるかなと思って取得してるの。



資格と職の安定派遣会社のカウンセラーが、求職者からよく聞かれるのが「どんな資格を持っていると有利ですか?」「もし仕事が終了しても、この資格さえ持っていればすぐに次の派遣先が見つかりますか?」という質問。
資格に対して「職の安定」を期待する人は多いけど、残念ながら現代の労働市場において、そのような資格は非常に少ないんだ。
例えばTOEICのスコアが満点だったとしても、それだけで「英語を使う仕事に転職できる」というわけではない。
「この資格さえ持っていれば仕事に困ることが無い」と言える資格は「医師・看護師・弁護士」など、かなり高難易度の資格に限られているんだよ。(ちなみに最近では、弁護士も就職難と聞くね)
実務経験あり・資格なし≧実務経験なし・資格取得>実務経験なし・資格なし

資格取得者、ざまーみろ!
資格「だけ」ではプラスにならないのであって、資格は転職活動を進めるために有効なツールなんだ。

a.簿記1級の資格を持っているけど実務経験ゼロ
b.資格は持っていないが簿記の実務経験が10年

a.簿記経験5年 資格なし
b.簿記経験3年 簿記資格あり
また応募者が無ければ『実務経験無し・資格あり』の人材が採用されることもあるよ。

資格は実績と知識の証明資格試験の勉強方法が確立していたり、暗記だけで試験に受かることも可能だから、最近では資格の効果は薄まっているね。
ただし、資格持ちは一定の知識を持っている証明にはなるから、「業務にある程度対応できるだろう」と評価する会社は今でも多いんだ。
もちろん実務経験のある人が資格を取った場合は「実績の裏付け」にもなるよ。
例えば「英語を使った仕事を5年間経験した」という経歴の場合、簡単な会話のみだったのか、複雑なビジネス書類を翻訳していたのか、5年間の間に経験した内容によって英語力にはかなりの差があるもの。
そんな時、職務経歴書だけでは英語力を表現するのは難しいけど、TOEICのスコアを併記すれば、どれくらいの英語力を持っているのかを表現することが可能なんだ。
また資格を取るという積極的な姿勢も、企業は評価しているよ。
会社業務外で勉強をし、自分でお金を払って休日をつぶして試験を受けに行くというのはなかなかに大変。企業の採用担当はこういった自己管理と努力を継続できる人を評価しているんだ。
ポイント
①実務経験のある人は、自分の経験をよりわかりやすくPRする手段として資格は有効。
②実務経験のない人でも、未経験の仕事にチャレンジする時、資格を取ることで採用の可能性は高まる。
③すでに就業中の人も、資格を取ることで、より高度な仕事にチャレンジすることや、時給アップ交渉を有利に進めることができる。


敢えて挙げる派遣社員におすすめの資格

「自分の経歴・やりたいことにあった資格が一番」だよ。

やりたいことに合わせて資格取得経理の仕事をしたいのであれば、簿記の資格。英語関連の仕事をしたいのであればTOEIC。
このように、自分のやりたいことや今までの経歴に合わせて資格を選ぶのが一番のおすすめだよ。
繰り返しになるけど、資格を持っているだけで採用されるような便利な資格はないから、「英語が好きでない・特に英語を使った仕事をしたいと思わない」人が、詰め込み勉強でTOEICの高得点を取っても、転職活動には有利に働かないんだ。
楓ちゃんのように闇雲に資格をとっても、ほとんど効果はないよ。
ただし、自分の幅を広げるということで、メインスキル+αという考え方で資格を取ることは有効だね。
例えば、経理の実務経験がある人が「英語力が必要な外資系企業の経理職に転職したい」といった場合、TOEICの資格は有効だよ。


日商簿記検定
日本商工会議所が主催する簿記能力の検定試験。
PL、BSといった財務諸表や原価計算などに関する知識・技術(計算能力)に関する試験だよ。
経理部門での実務に関連する資格だけど、こういった財務に関する知識はビジネス全般に関する基礎知識とされているので、幅広い職種で有効な資格になるんだ。
TOEIC、TOEFL
英語力に関する資格。
双方ともに有名で、TOEIC**点といえば、どれくらい英語能力があるか一目でわかる(PRすることができる)ことがお勧めポイントだよ。(TOEICに比べると、「英検1級・準1級」はどれほどの英語力かイメージしにくい。)
また、世界統一基準であるため、外資系の企業やあるいは海外の企業に転職する時にも有効なんだ。
TOEICのスコアを昇格要件としている会社もあるよ。
MOUS検定
Microsoftが主催する「office」ソフト(主にWord、Excel、PowerPoint)の能力試験。
今時、Word・Excelが使えることは当たり前になってしまったため、この資格があるから大きく有利になるということはない。
ただ事務系以外の職種の方(営業職・飲食など)が事務系職種にチャレンジする時、「事務の実務経験は少ないですが、officeはこれくらい使えます。」とPRする場合に有効だよ。
情報処理技術者試験
プログラムの試験?と思うかもしれないけど、そうではなく、パソコンやインターネットなど情報技術に関する試験なんだ。(かつては、初級アドミニストレータ試験と呼ばれていました。)
システム系の会社やシステム部門で就業する場合、プログラマーやSEでなくても、情報技術に関する基礎知識が要求されるし、またシステム部門でなくても、いまやどの会社でも業務には何らかの社内システムを使っている。
ちょっとした不具合への対応など、この資格を持っていれば(基礎知識を持っていれば)役に立つよ。
取得して損になることはないから、自分の幅を広げるという意味で受けてみるといいかもね。


私は事務系に興味あるし『MOUS検定』を受けてみます!