派遣先へ電車通いの為、往復の交通費に毎日800円かかっている楓ちゃん。ふと「交通費を出してもらうことはできないの?」と考えます。
ここでは「派遣と交通費」の関係について一緒に見ていきましょう。
また「交通費がある仕事とない仕事の違い」「派遣会社の交通費のカラクリ」「交通費の交渉」についても解説いたします。
同一労働同一賃金制
2020年4月より、派遣業界に同一労働同一賃金制が施行されました。
これにより、基本的にはどの派遣会社でも交通費が支給されるようになっています。
大半の派遣は交通費が自腹
派遣って交通費出してもらえないのかな。。。
遅刻しないか毎日命がけじゃない。
90%以上は交通費自己負担派遣のほとんどの仕事は交通費が自己負担と考えた方がいいね。
例えば大手派遣会社であるテンプスタッフの総求人数は現時点で約3万件あるけど、その中で交通費を支給している仕事は約1000件程度。
交通費がでる仕事は4%に満たないんだ。
リクルートスタッフィングやアデコの場合は約1万件に対し1000件程度あるから、10%の仕事は交通費が支給されることになるけど、件数でいうとテンプスタッフと変わらないし、どっちにしても少数だね。
だから交通費は基本出ないものと考えた方がいいし、仕事によって異なる為、「〇〇の派遣会社だから交通費が出る・出ない」といったことはないんだ。(ちなみに後述する『パーソルテクノロジースタッフ』なら全ての仕事で交通費支給しているよ。ただしエンジニア、Webクリエイター、ものづくりエンジニアなどIT分野専門の派遣会社だね)
交通費ありのカラクリ
交通費支給のからくり派遣の仕事の中には稀に交通費がでるものもあるけど、その大半は派遣先から貰っている派遣料金の分配が変わっているだけなんだ。
例えば派遣先から派遣会社へ支払われている「派遣料金が2100円」で、派遣会社からスタッフに支払われている料金が「時給1400円」の仕事があるとしよう。
「交通費あり」としている仕事の場合、この「時給1400円」を100円下げ「時給1300円」に設定していることが多いんだ。
「毎日交通費800円」支払いますと言うと一瞬得をしたように感じるけど、結果的には「下げた時給100円×8時間労働=800円」が交通費に回っただけで、「時給1400円の交通費なし」と変わらないんだね。
「交通費あり」としているほとんどの仕事は、このようなカラクリだから、交通費だけに振り回されても意味がないことは頭に入れておいてね。
ただし稀に派遣先から「派遣料金2100円+交通費○○円/月」として貰っている場合もあるんだ。これに関しては純粋に交通費を別途もらえるよ。
交通費は「全額支給」「一部支給」「支給なし」の3つに分類されるんだけど、「全額支給」の場合は派遣先が支払ってくれるるケースも多いんだ。
派遣で交通費が出ない理由
でもなぜ派遣は交通費がでないんですか?正社員だったら普通は出ますよね。
また派遣会社の計算が難しくなるのも1つの理由だね
「交通費は時給に含む」派遣先にとって派遣を利用するメリットは、それなりの仕事を正社員程のコストをかけずに行うこと。
その為、時給はある程度高く設定されてるけど交通費は抑えたいのが本音なんだね。
派遣会社も派遣スタッフ1人1人に対しての毎日の交通費を計算して支払うとなると、膨大な時間が必要となり管理が難しくなるんだ。
だから現時点では「交通費なし」ではなく、「交通費は時給に含んでいます」というのが派遣会社の考え方なんだ。
交通費の交渉
また交通費は無理でも時給自体を上げることは交渉次第で可能だよ。
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派遣で働き始めてもうすぐ1年の楓ちゃんと ...
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法律によって今後は交通費が支払われる可能性も0ではない
交通費は問題にならないんですか?
今後もしかしたら交通費が支払われる可能性もあるかもね。
今後交通費が支払われる可能性も通勤手当が支払われないのは正社員との待遇格差であり労働契約法に反するとして訴えをおこしている人もいるんだ。
厚生労働省もその件に関して派遣会社に指導をしているし、「反していると判断し見直し中」としている派遣会社もあるから、もしかすると将来的には交通費が支払われる可能性もあるね。
例えばテンプスタッフで有名なパーソルグループが運営する『パーソルテクノロジースタッフ(ITエンジニア、Webクリエイター、ものづくりエンジニアなどの分野専門の派遣会社)』は、2019年4月1日から全ての人に交通費支給を開始するとしている。
今後働き方改革の同一労働同一賃金もあるから、正社員と同様の待遇を受けることは可能になるかもね。
たださっきも言ったように、「交通費は給与に含まれている」と考える派遣会社も多いから、今の所は交通費なし継続の可能性が高いんだ。